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TAKESHI'S コラム 第5回
萩焼の価格と歩留まり
一般的萩焼と聞いて価格が高いというイメージをもたれてる方も少なくないと思います。
陶磁器展に出展していた時にあるお客様に「萩焼一つ買うのに波佐見焼なら10個は買えるよ」なんて言われた事もあります(笑)
萩焼=高いとは一概に言えないのですが、まずは機械による大量生産品か手作り品なのかで価格は変わってきます。
手間隙や原材料にどこまでのこだわりがあるかが大きく関係します。
瀬戸や有田といった他の産地が早い時期から分業制をとっていたのに対して萩焼の窯元では採土から粘土の生成、成形、焼成までを基本一つの窯元で行います。
これもまた価格が高くなる要因のひとつでもありますが最近では萩焼用の粘土や他の産地の粘土を購入して使っている窯元も少なくありません。
歩留まり(不良品ではないもの)の割合も価格に大きく関わってきます。
萩焼の場合一般的には20%のロス(出荷できないもの)が生まれます。
これはあくまでも平均的な数値ではありますが登り窯で焼成した場合か電機窯、ガス窯を使って焼成した場合でも変わってきます。基本設計自体が600年前の登り窯より現代のハイテク窯の方が当然歩留まりは良いですよね。
販売可能なレベルは各窯の判断にもよるところは大ですのでそのあたりに注目されて購入するのもありだと思います。
ヤマトズギャラリーではこれまでアウトレット商品を売らないというスタンスで来ましたが少しでも価格を抑えたいという理由から一部アウトレット商品の販売を始めました。
お客様からこれはどこが悪いのですか?とよく聞かれるのですがアウトレットといっても傷物という訳ではなく大きさが規格外であったり作者本人が納得いかなかったというレベルなのですが。
また、工芸作品として作成したものと商品では価格が変わってきます。
一例として抹茶碗の場合ですと一般商品として作成したものは比較的安く販売出来るのですが作品としての抹茶碗では高くなってきます。
例えば100個の茶碗を作ったとします。
その中から最高のもの1点選び残りの99個を世に出さず割ったとしましょう。
そうすると1個1万円だとしてもその1/100だと思えば100万円の価値が付くことになりますよね。
こういった理由もあります。
失敗作でいいんで安く分けて欲しいなどともよく言われますがそれは作者自身の判断になるでしょうね。
また作品そのものよりも誰が作ったかでも価格は変わってきます。
人間国宝や無形文化財といった人たちの作品は当然高いでしょうし、数々の受賞経験も価格に関わっています。
しかしながら購入されるのはお客様自身ですので作品、商品の価値というのは千差万別です。
これらを考慮して色々な陶器を観るのも面白いかと思います。